こねこねこのうつらうつら日記

森林浴中の「こねこねこ」です。 うつらうつらですが、うす目で見た世の中の面白い・おかしい・役に立つ・美味しいものを発信していきます。

台風の定義と熱帯・温帯低気圧の違いについて

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出典:wikipedia 宇宙から見た台風(平成16年台風第18号

 

このところ台風が頻繁に発生して、多大な被害をもたらしています。

しかしある程度時間が経つと勢力が衰えて、温帯低気圧もしくは熱帯低気圧に変わってしまいます。

ニュースでよく聞かれるフレーズで、今までなんとなく聞き流していたのですが、

少し明確にしておこうと思い定義を調べてみました。

台風の定義と名前

まず、気象庁です。

ホームーページの記述は次のとおりです。

「熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。 」


う? 気圧の記述がありません。
今までは漠然と気圧1000ヘクトパスカル以下の低気圧を台風と呼ぶのでは
一人合点していたのでこれは不意打ちでした。

 

気象協会のホームページでは

「台風とは、熱帯の海の上で生まれた低気圧です。その熱帯低気圧のうち、最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s以上のものを「台風」と呼びます。
また、国際的な取り決めによって、日本の台風とは異なり、最大風速(1分間平均)が33m/s以上のものをタイフーンと呼びます。」

ここでまた新しい概念が出てきました。

タイフーン(Typhoon)と台風は違うようです。


引き続き気象協会の説明です。

「台風の仲間である大型の熱帯低気圧は世界の色々なところで生まれています。 これらはどこに存在するかによって名前が変わり、強い(最大風速33m/s以上)勢力をもった台風が東経180度より東に進んだ場合はハリケーンと呼ばれます。
また、最大風速が17m/s~25m/s未満のものは、トロピカル・ストーム、25m/s~33m/s未満のものは、シビア・トロピカル・ストームと呼びます。

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サイクロン・・・インド洋、南太平洋
ハリケーン・・・太平洋(赤道より北で、東経180度より東)、大西洋
台風(タイフーン)・・・東アジア周辺の太平洋(赤道より北で、東経180度より西)」

 

つまり、日本は他の国より低い基準で大型の熱帯低気圧に特別な名称「台風」をつけている訳です。

台風の被害を受けやすい国柄のためか、あるいは気象に対する日本人の感受性の強さの表れでしょう。

整理すると

最大風速 日本 その他の国 発生場所ほか
17m/s~25m/s未満 台風 トロピカル・ストーム(Tropical Storm)
25m/s~33m/s未満 台風 シベア・トロピカル・ストーム(Severe Tropical Storm)
33m/s以上~44m/s未満 台風(強い) ハリケーン(Hurricane) 太平洋(赤道より北で、東経180度より東)、大西洋
  サイクロン(Cyclone) インド洋、南太平洋
  タイフーン(Typhoon) 東アジア周辺の太平洋(赤道より北で、東経180度より西)
44m/s以上~54m/s未満 台風(非常に強い) 同上
54m/s以上 台風(猛烈な) 同上

 

台風が熱帯低気圧温帯低気圧に変わるとは?

上でも触れていますが、ニュースが「台風〇〇号は温帯低気圧もしくは熱帯低気圧に変わりました。」と報じます。

台風が弱まったと理解しがちですが、どうもそれは違うようです。

 

呼び名が変わったということは、台風の定義にあてはまらなくなったということです。

 

台風を定義しているの主要要素は、

1.熱帯低気圧

2.最大風速がおよそ17m/s以上

ですが、

熱帯低気圧」に変わったというのは最大風速がおよそ17m/s未満になって定義から外れたので、こちらは確かに弱まったといえます。ただ、再び最大風速が強まれば台風に逆戻りします。また、雨量は関係しないことも注意が必要です。

温帯低気圧」への変化は中心付近に詰めたい空気が入ってきて、もはや暖かい空気だけとは言えなくなった時で、低気圧の性質自体が「熱帯」から「温帯」に変化して台風の定義から外れたいうことです。

こちらは台風にもどることはありません。

ただ、逆に最大風速等が大きくなる場合もあるので、災害の脅威が減少したわけではありません。また雨についても同様です。

 

台風の構造は下記の図のとおりですが、

発生メカニズムも気象協会のHPの説明が分かりやすいです。

http://www.tenki.jp/docs/note/typhoon/page_2

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出典:気象協会

 

整理すると、

熱帯低気圧は同じ性質のなかで生まれて発達します。つまり中心には暖かい空気のみが存在します。

温帯低気圧は暖かい空気と冷たい空気という異なる二つの空気の衝突で生まれ、両者の性質が異なるほど発達します。中心からのびる前線は異なる気団の境目です。

 

(続く)