こねこねこのうつらうつら日記

森林浴中の「こねこねこ」です。 うつらうつらですが、うす目で見た世の中の面白い・おかしい・役に立つ・美味しいものを発信していきます。

台風の語源はTyphoon? 気象学史と語彙から「颱風」と「颶風」の関係を解明する

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台風の語源について確かめようと気軽に考えたのだが、結構時間を取られてしまった。

 

台風とは一般用語ではあるが気象学上の用語でもあるため、
日本の気象学・天気予報の歴史を知る必要が出てきてしまったのだ。

ちょっと横道に逸れますがご容赦ください。


その辺の知識は皆無だったのだが、日本の気象学は世界的に見てもなかなかたいしたものだったらしいことが分かったのは収穫でした。

 

気象予報の歴史早わかり

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日本の気象学の先達は北尾次郎です。
嘉永7年(1854)に松江藩藩医の次男として出生。
幼少のころから抜群の俊才で、15歳のときに東京開成学校(いまの東京大学の前身)に入学し、翌年(1870)には僅か16歳で明治政府のドイツ留学生に抜擢されます。


医学修学の目的で派遣されたわけですが、実際は物理学と数学を学びました。
帰国後は東京帝国大学他を歴任して物理学・数学を教え、1887年から1895年にかけて論文「大気運動と颶風に関する理論」(原文はドイツ語)発表しました。
同論文はいわゆる大循環理論を流体力学で基礎づけたもので、気象学史的にみて
世界的に高く評価されているそうです。
ただ、彼と気象学との関わりはこの論文だけです。あまりにも多彩な才能で、ドイツ語での小説原稿も残されていて、関心は気象学だけに留まらなかったようです。

 

 

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次は、1874年(明治7年)生まれの岡田武松です。
一般的に彼が颱風の名称を採用したとされています。
彼は北尾次郎の一世代下で日本の気象予報体制を確立した人物です。


26歳で東京帝国大学物理学科卒業し、ただちに中央気象台(現・気象庁)に入り、技手として予報課に勤務し、各測候所の勤務者を対象とする気象観測練習会で、気象学の講義を受け持つなどして気象学・気象行政一筋で1923年には第4代中央気象台長(現在の気象庁長官)となります。

在任中は世界に先駆けた海上船舶の無線通信(1910年)や地震観測網の整備・全国気象官署の国営移管など、気象事業の発展に尽くしました。

 

なお、1905年には予報課長として日本海海戦当時の天気予報を出します。
この予報「天気晴朗ナルモ浪高カルベシ」は、連合艦隊から大本営宛に打電された有名な電報

「敵艦隊見ユトノ警報ニ接シ聯合艦隊ハ直ニ出動、之ヲ撃沈滅セントス。本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」

の原典といわれています。

 

予報技術が発達していなければ、このような予報もだせず、日本海海戦の帰趨も変わっていたかもしれません。ある意味で日本の恩人です。歴史教育でも教えてほしいものです。

 

台風と颱風、颱風と颶風の違いは?

平凡社「大辭典」によると

「颱」の項目で
颱風はつむじかぜ。あらし。暴風雨。

椿説弓張月に次の記述がある。
「それ大風烈しきものを颶といふ、又、甚しきを颱と稱ふ」
出典は福建誌の
「風大而列者爲颶、又甚者爲颱」とのこと。

また「颱風」の項目では
typhoon(英)、熱帯性颶風の中、特に極東に発生するもの。

「タイフーン」の項目では
typhoon(英)、颱風。もとアラビア語tufanに出ず。

とあります。

 

「颶」(ク、グ)の項目では
おほかぜ。つむじかぜ。支那の南方海上に於て、夏秋の際起り旋囘しつつ北上する大風。颱風。
投荒雑録「巓南諸郡皆有颶風」

「颶風」(グフー)の項目では
大気中の大渦動の一種で種々の意味に用ひらる。
南越志「颶風具四方之風也」
とあり

熱帯地方に発生する暴風雨の系統の総称など適用例が4つほど挙げられています。


■角川大字源では
「颱」については解字で「意符の風と音符の台(広東語の大の音訳という)」と書くだけで用例はありません。
「颶」についての解字では「意符の風と音符の具(おおきい意=巨。また、おそれる意=懼)とから成る。」と書き、幾つかの用例も載せています)

「颱」の説明は自信なげです。

 

■新潮日本語漢字辞典では、
「颶」について、漱石三四郎での用例を挙げています。
(「颱」はなし)

 

考慮すべき点として
「烈しき」と「甚しき」どちらがより強い表現なのかいう問題がありますが、
辞書を調べた限りでは明確な規定は見つけられませんでした。
ただ、文脈からいうと「甚しき」のほうが強い表現のようです。
(表現的にはまず広い範囲を指摘して、次により狭めるのが普通)

 

台風の語源まとめ

「颱」のほうが「颶」より強い風を意味してたようだが、明治頃までは一般的にはあまり使われていなかった。
このことは北尾次郎の論文表題が「颶風」を採用していることと、漱石三四郎での記述などから言える。

岡田武松が颶風のうちでより強力なものを学術的に定義しようとした際、一般的な名称ではなくより限定された語義でかつ英語のTyphoonとも通じる颱風を採用したのではないか。
彼の颱風の定義が現在のそれと一致しているかどうかは不明だが、
天気予報に颱風の語が使われることによりその使用が一般化したと思われる。

台風は漢字制限時に颱風にかわって採用されただけ。

 

英語のTyphoonについても種々の語源説があるようですが、これ以上調査はしません。
(欧米のサイトを見れば分かるかもしれませんが、時間ももったいないので)


語源の話だけで長くなってしまいましたので、続きは別記事で。

 

台風の定義と熱帯・温帯低気圧の違いについて

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出典:wikipedia 宇宙から見た台風(平成16年台風第18号

 

このところ台風が頻繁に発生して、多大な被害をもたらしています。

しかしある程度時間が経つと勢力が衰えて、温帯低気圧もしくは熱帯低気圧に変わってしまいます。

ニュースでよく聞かれるフレーズで、今までなんとなく聞き流していたのですが、

少し明確にしておこうと思い定義を調べてみました。

台風の定義と名前

まず、気象庁です。

ホームーページの記述は次のとおりです。

「熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。 」


う? 気圧の記述がありません。
今までは漠然と気圧1000ヘクトパスカル以下の低気圧を台風と呼ぶのでは
一人合点していたのでこれは不意打ちでした。

 

気象協会のホームページでは

「台風とは、熱帯の海の上で生まれた低気圧です。その熱帯低気圧のうち、最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s以上のものを「台風」と呼びます。
また、国際的な取り決めによって、日本の台風とは異なり、最大風速(1分間平均)が33m/s以上のものをタイフーンと呼びます。」

ここでまた新しい概念が出てきました。

タイフーン(Typhoon)と台風は違うようです。


引き続き気象協会の説明です。

「台風の仲間である大型の熱帯低気圧は世界の色々なところで生まれています。 これらはどこに存在するかによって名前が変わり、強い(最大風速33m/s以上)勢力をもった台風が東経180度より東に進んだ場合はハリケーンと呼ばれます。
また、最大風速が17m/s~25m/s未満のものは、トロピカル・ストーム、25m/s~33m/s未満のものは、シビア・トロピカル・ストームと呼びます。

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サイクロン・・・インド洋、南太平洋
ハリケーン・・・太平洋(赤道より北で、東経180度より東)、大西洋
台風(タイフーン)・・・東アジア周辺の太平洋(赤道より北で、東経180度より西)」

 

つまり、日本は他の国より低い基準で大型の熱帯低気圧に特別な名称「台風」をつけている訳です。

台風の被害を受けやすい国柄のためか、あるいは気象に対する日本人の感受性の強さの表れでしょう。

整理すると

最大風速 日本 その他の国 発生場所ほか
17m/s~25m/s未満 台風 トロピカル・ストーム(Tropical Storm)
25m/s~33m/s未満 台風 シベア・トロピカル・ストーム(Severe Tropical Storm)
33m/s以上~44m/s未満 台風(強い) ハリケーン(Hurricane) 太平洋(赤道より北で、東経180度より東)、大西洋
  サイクロン(Cyclone) インド洋、南太平洋
  タイフーン(Typhoon) 東アジア周辺の太平洋(赤道より北で、東経180度より西)
44m/s以上~54m/s未満 台風(非常に強い) 同上
54m/s以上 台風(猛烈な) 同上

 

台風が熱帯低気圧温帯低気圧に変わるとは?

上でも触れていますが、ニュースが「台風〇〇号は温帯低気圧もしくは熱帯低気圧に変わりました。」と報じます。

台風が弱まったと理解しがちですが、どうもそれは違うようです。

 

呼び名が変わったということは、台風の定義にあてはまらなくなったということです。

 

台風を定義しているの主要要素は、

1.熱帯低気圧

2.最大風速がおよそ17m/s以上

ですが、

熱帯低気圧」に変わったというのは最大風速がおよそ17m/s未満になって定義から外れたので、こちらは確かに弱まったといえます。ただ、再び最大風速が強まれば台風に逆戻りします。また、雨量は関係しないことも注意が必要です。

温帯低気圧」への変化は中心付近に詰めたい空気が入ってきて、もはや暖かい空気だけとは言えなくなった時で、低気圧の性質自体が「熱帯」から「温帯」に変化して台風の定義から外れたいうことです。

こちらは台風にもどることはありません。

ただ、逆に最大風速等が大きくなる場合もあるので、災害の脅威が減少したわけではありません。また雨についても同様です。

 

台風の構造は下記の図のとおりですが、

発生メカニズムも気象協会のHPの説明が分かりやすいです。

http://www.tenki.jp/docs/note/typhoon/page_2

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出典:気象協会

 

整理すると、

熱帯低気圧は同じ性質のなかで生まれて発達します。つまり中心には暖かい空気のみが存在します。

温帯低気圧は暖かい空気と冷たい空気という異なる二つの空気の衝突で生まれ、両者の性質が異なるほど発達します。中心からのびる前線は異なる気団の境目です。

 

(続く)



 

 

ウッドデッキの木製階段が壊れたので修理をする羽目に(承前)とカビ取りにキッチン泡ハイターが最強なことを発見

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ウッドデッキの修理について記事を書いていますが、

その腐蝕木部のさらなる腐蝕を防ぐために木材防腐剤を塗布しました。

 

使用した製品はこちらですが、

残念な結果になったので報告しておきます。


防カビ効果がまったくなかった防腐剤

 

階段のみではなくデッキ周囲の座面枠も腐蝕してきていたので

こちらは表面材を取り換えることとしました。

 

デッキですから雨に当たるわけですが、使用予定の板を仮置きしていたところ一晩雨に当たっただけでカビが生えてきてしまいました。

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防水性能はうたっていないのでそれはいいのですが、

この製品「防腐」「防虫」に加えて一応「防カビ」もうたっています。

 

未使用の木材に防腐剤を2度塗りしていたので、まあ大丈夫だろうとおもっていたところ、カビに対してはまったくの期待はずれ。

「防腐」性能に関しては時間が経ってないので、まだ結論はだせませんが、

カビについては、「おいおい、それは無いだろう。今までの手間はなんだったんだ? ふざけるな」という感じ。

 

新しい箇所の塗布用に新しい缶も買ってあったのですが、やる気が一気に失せました。

まあ、折角購入したので使用するとは思いますが、、、

 

 

「キッチン泡ハイター」の話題です。

同じデッキですが、こちらは手入れをしていない箇所です。

(過去にキシラデコールで一回塗りなおした程度)

写真のようにカビがだいぶ生えてきています。

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室内での黒ずみ取りに「キッチン泡ハイター」が絶大な効果を発揮していたので、

屋外ではどうかと試してみることとしました。

比較のために「カビとりハイター」も使用。

 

左側が「カビとりハイター」で右側が「キッチン泡ハイター」です。

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ご覧のようにカビがきれいに落ちます。

「カビとりハイター」も落ちますが、「キッチン泡ハイター」のほうが効果は顕著です。

これはいいですね。

コスパからいっても、「キッチン泡ハイター」恐るべしです。

参考にしてください。

 


花王キッチン泡ハイター>


強力カビハイター

 

なお、室内の黒ずみというのは壁のことで、

当家の壁は生石灰クリームの金コテ仕上げで出来ているのですが、やはり年月が経つとどうしても黒ずんできます。

それで家のものが「キッチン泡ハイター」を使ってみたのですが、見事に黒ずみは消えてもとの白さが戻りました。

素材へのダメージが心配だったのですが、今のところそれは全く見うけられません。

 

こちらもご参考に。

 

関連記事はこちら

 

アメリカ大統領選挙は民主党VS共和党の戦いではありません。

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アメリカの大統領選挙は11月8日
二ヶ月後に迫ってきましたが、このところ日本のテレビではあまり取り上げられませんね。

各党の指名候補争いの段階では、結構取り上げられていたんですが、、、

今回の大統領選では、
必ず現職以外が就任するのでそれだけでもある程度の変化はあるわけです。

8年前の選挙では、オバマの「CHANGE」連呼で、日本でも大盛り上がりでした。

結果は何も変わらなかったわけですが。

今回の大統領選挙の冷めようといったら目も当てられません。

それも、そうでしょう。

民主党のヒラリー候補は、
夫婦揃って中国からのダーティマネーにどっぷりつかり、

共和党のトランプ候補は、
反移民・女性蔑視・反イスラムの過激発言の連続で、
大統領候補どころか危険人物とみなされています。

どっちかがならないといけないのなら、
もはやどちらでもいい。

より悪くないほうが、せめてなってほしい。

このあきらめの雰囲気が、日本で関心を呼び起こさない大統領選の原因だと思います。

俳優のジョニー・デップはトランプが大統領になれば、アメリカは終わりだと発言しています。

青山繁晴でさえ、どちらがなってもアメリカの終わりの始まりだといっています。

しかしながら同時に暗殺の可能性を指摘して、ケネディー以上の警護体制をひいているとも言っています。(もちろん国の予算です。一人の大統領候補にしては異例です。

この辺は腐っても鯛というべきアメリカの司法の良識でしょうか)

ということは、青山さんもトランプが誰に都合が悪いかという目星はあるということです。

 

確かにトランプの言動は品がないかもしれません。

ただ、それはあくまで表面的なことです。

 

トランプが支持される本当の理由は、アメリカ国民のもう騙されるの沢山だという感情です。

 

今回の大統領選はアメリカのみならず、世界の行方も支配しそうです。、

今までの大統領選は民主党にせよ共和党にせよ、ある勢力の掌の上の選挙でした。

今回は違うようです。

それが証拠にはトランプが正式の大統領候補になりそうになった時の
共和党首脳部の狼狽ぶりからも明らかです。

つまり、トランプは現在アメリカをひいては世界を支配している勢力に
まっこうから反対する普通の国民の代表として登場したのです。

もしトランプが勝てば、世界は大幅な地殻変動をおこすでしょう。
それは日本の大多数の国民にとっても良いことです。
もちろん、一部の既得権益層は必死に抵抗するでしょうが、
マスコミによる洗脳もだんだんとはがされていくはずです。

 

イギリスがまともな普通の一般国民の常識をもとにEUからの離脱を選択したように。


一方マスコミはことの重大性に人々が気づかないように、
意識的に選挙戦そのものを矮小化しています。


ところが、マスコミの隠蔽操作に打撃を与える情報がリークされるかもしれません。

あのウィキリークスが
ヒラリー・クリントンの暗黒面を暴く
大胆な情報漏洩を行なおうとしているとロイターが報じています。
↓↓
ロイターWEBサイト

 

アメリカ大統領選挙は、
二ヶ月後の11月8日。

アサンジの身に何もなければ、二ヶ月以内に何かしら「重大」で具体的な発表がなされるはずです。


だんだんとキナ臭くなってきました。

ここで、ご紹介したいのがこちらの情報です。


アメリカ大統領選の真相

 

「日米マスコミが絶対報じないアメリカ大統領選の真実」

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公式サイトはこちら

 

アメリカの大統領選挙は、自分たちには関係がない他国の選挙ではありません。

もちろん真実を知ったからといって、我々がアメリカの大統領選挙に直接関われるわけではありません。

ただ、その真の意味・背景を知ることは我々の思考に新しい視点を付け加えてくれるでしょう。
また、動画では「ヨーロッパ発金融危機第二弾」が不可避である理由も明かされるようです。


無料ですので、ぜひ一緒に動画を視聴しませんか。


動画の視聴先はこちら

セミの羽化(脱皮)を初めて実見する。セミの寿命は本当に短いのか?

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たまたまセミがベランダの柱につかまって羽化しているのを見つけた。


既にもう身体が半分ほど出ていて、最初はなんだこれはという感じで良く分からなかったが、よく見たらセミだった。

 

セミの羽化をリアルタイムで実際に見るのははじめてで少し感動する。


写真がぶれていて見ずらいところもあるが、記録として残しておきます。

 

これを機にセミの生態を調べてみたが、書かれていることもまちまちで
まだよく分かっていないらしい。

 

これだけポピュラーな昆虫でも、この状態なのだから生物の研究というのは難しいと感じる。とくにセミは幼虫がほとんどの期間を土の中で過ごし、成虫の飼育も難しいのでなおさら調べるのが難しいらしい。


簡単にセミの一生を記述すると、

Wikipediaよりの引用

交尾が終わったメスは枯れ木に産卵管をさし込んで産卵する。枯れ木の上を移動しながら次々と産卵するため、セミが産卵した枯れ木は表面が線状にささくれ立つ。


ニイニイゼミなど早めに出現するセミの卵はその年の秋に孵化するが、多くのセミは翌年の梅雨の頃に孵化する。孵化した幼虫は半透明の白色で、薄い皮をかぶっている。枯れ木の表面まで出た後に最初の脱皮をおこなった幼虫は土の中にもぐりこみ、長い地下生活に入る。


幼虫は太く鎌状に発達した前脚で木の根に沿って穴を掘り、長い口吻を木の根にさしこみ、道管より樹液を吸って成長する。長い地下生活のうちに数回(アブラゼミは4回)の脱皮をおこなう。
若い幼虫は全身が白く、目も退化しているが、終齢幼虫になると体が褐色になり、大きな白い複眼ができる。羽化を控えた幼虫は皮下に成虫の体が出来て複眼が成虫と同じ色になる。この頃には地表近くまで竪穴を掘って地上の様子を窺うようになる。

晴れた日の夕方、目の黒い終齢幼虫は羽化をおこなうべく地上に出てきて周囲の樹などに登ってゆく。羽化のときは無防備で、この時にスズメバチやアリなどに襲われる個体もいるため、周囲が明るいうちは羽化を始めない。このため、室内でセミの羽化を観察する場合は電気を消して暗くする必要がある。夕方地上に現れて日没後に羽化を始めるのは、夜の間に羽を伸ばし、敵の現れる朝までには飛翔できる状態にするためである。木の幹や葉の上に爪を立てたあと、背が割れて白い成虫が顔を出す。成虫はまず上体が殻から出て、足を全部抜き出し多くは腹で逆さ吊り状態にまでなる。その後、足が固まると体を起こして腹部を抜き出し、足でぶら下がって翅を伸ばす。翌朝には外骨格が固まり体色がついた成虫となる。

  

上記がWikipediaの記述で、他の情報源も羽化は日没後と書かれています。

 

今回実見したセミアブラゼミ?ですが、

羽化は日中なので、日没後という記述自体が間違っています。

 

自分の無知を付記すると、セミの抜け殻は良く見かけていて、
特に脱皮と羽化の区別は付けていなかったが、最後の脱皮を羽が生えるので羽化と呼ぶことが分かりました。

セミは「さなぎ」にならないので、「不完全変態」であるというのも、今回調べている過程で知った新知識でした。

 

写真1(13:58)

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写真2(14:03)

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写真3(14:35)

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写真4(15:45)
羽は小さくつぼまって、抜け殻にくっついている。

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写真5(17:13)
羽は広がりきったが、まだ透明。抜け殻から脇に移っている。

 

 

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19時ごろ覗いてみたが、セミはもういなかった。
近くの床も探してみたが落ちてはいなかったので、飛んで行ったらしい。

 

空蝉はこんな感じです。

 

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また、セミの寿命ですが、
Wikipediaでは

成虫期間は1-2週間ほどと言われていたが、これは成虫の飼育が困難ですぐ死んでしまうことからきた俗説で、野外では1ヶ月ほどとも言われている[2]。
さらに、幼虫として地下生活する期間は3-17年(アブラゼミは6年)に達し、短命どころか昆虫類でも上位に入る寿命の長さをもつ。


成虫での生存期間も1-2か月あるといわれています。

夏のセミはせいぜい1ヶ月ですが、季節外れのセミは2カ月ほども生きるという説明もあります。夏のセミは熱さで体力を消耗するため寿命が短いんだそうです。

また幼虫の地中での生息期間ですが、飼育技術が進歩した最近の研究によると
種類によって違いますが、


ミンミンゼミ  2~4年
ツクツクボウシ1~2年(主に2年)
アブラゼミ   2~4年
クマゼミ    2~5年
ニイニイゼミ 4~5年(主に4年)


だそうです。

大型のセミほど期間が長いですが、これはやはり成長に時間がかるためです。

 

Wikipediaも盲信してはだめですね。

 

つまりセミは寿命が短いと思われていますが、
昆虫の中では例外といっても良いほどの長生きなのです。

 

ちなみにアメリカには13年と17年セミという超長生きな種類もあります。
ただ、こちらも成虫期間は短く、ほとんどの期間を地中で過ごして、
子孫を残すために地上に出てきて目的を果たすと死んでゆくわけです。

13と17は素数です。これをもとに素数ゼミという切り口で数学的にその理由を説明した本もありますが、異論もあるようです。

たかがセミ、されどセミですが、その真実の解明はなかなか難しいようです。


夏の風物詩として蝉しぐれを鑑賞するのが無難かもしれません。